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傷跡(未成熟瘢痕)のアフターケア
傷は、治療して治癒したあと、半年〜1年は、皮膚に赤みや硬さが残るのが通常です。この傷跡を未成熟瘢痕(みせいじゅくはんこん)と言います。
皮膚に傷が付くと、皮膚の奥でコラーゲンが増殖し、傷を修復していきます。そのため、傷跡は、ほとんどがコラーゲン繊維です。周囲の正常な皮膚と組織構成が異なり、最初は目立ちますが、時間が経てば肌色に近く柔らかい成熟瘢痕(せいじゅくはんこん)へ変化します。
未成熟瘢痕をできるだけ早く成熟瘢痕へと変化させることが、目立ちにくい傷跡やきれいな状態に戻すポイントです。
逆に、未成熟瘢痕に刺激を与えて炎症を起こしてしまうと、肥厚性瘢痕やケロイドになってしまうことがあります。また、色素沈着を起こすおそれもあります。
そのため、治癒後の適切なアフターケアがとても大切です。
アフターケアのポイント
保湿
保湿は、皮膚の修復力を高めます。傷跡の乾燥は、赤み・痛み・かゆみにつながります。掻いてしまえば傷跡が残ってしまいます。傷が塞がったあとも適度な湿度を保ちましょう。
遮光
紫外線は、傷跡の色素沈着のもとです。色素沈着を起こすと傷跡が茶色くなり、なかなか治りません。傷が治癒したあと3か月~半年程度は、遮光性テープや日焼け止めなどを使って、紫外線から傷跡を守りましょう。
保護
未成熟瘢痕が擦れたり、掻いてしまったりすると、再び傷ついてしまい、悪化や新たな傷の原因となります。強い刺激から守るため、しっかり傷跡を保護しましょう。
アフターケアの方法
テープ
傷跡は、さまざまな方向に引っ張られることで広がり、治りにくくなります。そのため、医療用テープで固定することが大切です。遮光性のテープであれば、紫外線の防止にもつながります。テープの貼り替えによって刺激を与えすぎないよう、週に1回程度の交換が有効です。
シリコンジェルシート
薄いシリコン製のシートも有効です。傷跡の保護・皮膚の刺激防止・高い保湿作用があり、傷跡の赤み・痛み・かゆみを軽減します。とくに、肥厚性瘢痕やケロイドになりやすい部位にはシリコンジェルシートを使用しましょう。
軟膏(ぬり薬)
軟膏によって傷跡を保湿することも大切です。1日2回程度、ぬることで傷跡の改善が期待できます。顔の傷跡ケアなどに適していますが、軟膏には紫外線防止効果がないため、日焼け止めとの併用などが大切です。
内服
傷跡が盛り上がりやすい体質の方には、抗アレルギー剤の内服も有効です。肥厚性瘢痕やケロイドの増大を防ぎ、痛み・かゆみを抑える効果があります。飲み続けることで徐々に効果が出るため、なるべく早い段階からの服用がポイントです。