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盛り上がった傷跡の正体
ケガをしたり、手術で縫ったりしたあとに、傷跡が赤く盛り上がることがあります。これは、肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)やケロイドと呼ばれるものです。
肥厚性瘢痕やケロイドは、見た目の問題もありますが、痛みやかゆみを伴うことがあります。早期の治療が大切です。
ケロイドと肥厚性瘢痕の違い
肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)とは
肥厚性瘢痕は、何らかの異常で傷の治りが遅くなった場合に、傷が赤く盛り上がる状態です。
傷の外にまで病変が広がっていくことはありませんが、きのこ状に大きくなることがあります。
赤く盛り上がるのは、皮膚を作る線維細胞が多く産生されて増えることによります。通常、時間が経てば、色や盛り上がりは落ち着き、柔らかい傷になっていきます。
経過とともに適切な治療をおこなうことで治り、白く目立たない傷跡へと改善できます。
ケロイドとは
ケロイドは、肥厚性瘢痕と見た目が似ていて、傷が赤く盛り上がっている状態です。ただし、肥厚性瘢痕とは違い、傷を越えて、正常な皮膚にまで病変が広がっていくのが特徴です。
ケロイドが発生する主な要因は、遺伝やアレルギー疾患だと言われています。痛みやかゆみを伴うことが多いため、早期治療でしっかり治すことが大切です。
治療を先延ばしにすると、治りにくく、再発や増悪が多くなってしまいます。それでも、治療によって症状の軽減は期待できますので、諦めずにご相談ください。
肥厚性瘢痕・ケロイドの治療法
保存療法と手術療法
肥厚性瘢痕やケロイドを治療する方法には、主に、保存療法と手術療法があります。
保存療法
内服薬
アレルギー剤など、かゆみを抑える薬などを使用します。
注射
ステロイド剤を注射することによって症状を軽減します。
圧迫療法
テープやシリコンジェルシートによって圧迫し、患部に刺激や物理的な力が加わらないようにします。
外用療法
ステロイド成分を含むステロイドテープを貼り付け、治療をおこないます。
手術療法
近年、ケロイドの切除術と術後のケアによって、ケロイドは状態によっては完治させることができるようになりました。
手術では、まず、ケロイドの大きさに応じて、局所麻酔か全身麻酔をおこないます。小さいケロイドであれば、入院の必要はありません。3日間ほどの外来通院によって、局所麻酔手術で治療することができます。
手術でケロイドを切除したあとは、形成外科的手技によって、なるべく再発しないようきれいに縫合します。
術後は、ステロイド注射や圧迫・固定療法を続けましょう。また、場合によっては放射線治療(電子線照射)を併用します。放射線治療が必要な患者さまには、他院をご紹介しています。